”スイーツ激戦区“と言われる九州の都・福岡にて、

35年以上も愛され続ける洋菓子店「フランス菓子16区」。

 

2016年の全国シュトーレンランキング2位

同年の食べログ福岡県スイーツランキング2位と、

言わずと知れたスイーツの名店です。

 

この太く長く続く秘訣はどこにあるのか!?解明していきましょう!

 

 

ブランディングの秘訣 ~立派なビルに、人気商品「ダックワーズ」~

 

では早速お店を訪問。

 

場所は福岡の中心地「天神」から歩いて20分ほど。

地下鉄だと七隈線の「天神南」駅から5分の「薬院大通り」駅で降り、

そこからまた歩いて5分程のところに、この「フランス菓子16区」はあります。

 

閑静な住宅街をテクテク歩いていくと・・・おおっ!あった!

「フランス菓子16区」外観

お~!お菓子屋さんというより、お菓子ビルだ!でかい!

 

お店に入ると、早速「いらっしゃいませ!」の元気な声が聞こえてきます。

 

お菓子屋さんといえば、季節やイベントに応じて店内装飾を加えることも多いですよね。

それを見越してか、壁や床は白を基調としています

(わたしなら汚れが目立つから白にしないな。掃除めんどくさーい\(^o^)/

 

お客さんの人数は、平日の昼間だというのに10人くらいいて、忙しそう。

 

※特別に許可を得て撮影しています。

撮影時はバレンタインシーズンとあって、

店内の装飾は“赤”をメインに、

かわいいハートの風船やオーナメントがあしらわれています。

 

 

「フランス菓子16区」エレベーター

1階が販売スペースで、2階は喫茶スペース。

喫茶する方は1階でケーキを選ぶか、

エレベーターで2階へ上がって「今月のデセール」を注文します。

 

 

「フランス菓子16区」焼き菓子ゾーン
※特別に許可を得て撮影しています。

こちらは販売スペースの焼き菓子ゾーン。

サブレなどのハード菓子に加え、人気商品「ダックワーズ」が並びます。

 

なんとこのダックワーズ

実は生みの親がこのフランス菓子16区の「三嶋シェフ」なんです。

 

シェフがフランスのお店で経験を積んでいた時代に、

「アーモンド生地を日本の最中(もなか)みたいに仕立てたら、

新感覚のスイーツになるのではないか?」と思い、考案したそう。

「フランス菓子16区」ダックワーズ

中身が崩れぬよう、しっかりと包装されている。

 

 

 

 

それでは早速ダックワーズ、いただきまーす!

 

んっ、一口噛むと、優しーく「サクッ」という。

そしてもっと噛みしめると、柔らかーく「モチッ」とする。

大人しくてかわいいお人形さんみたいなスイーツではないか・・・!

 

「フランス菓子16区」ダックワーズの断面

断面図。パサパサしていないので全くこぼれない。

サックリ感も、モッチリ感も、決して強くなく、でも物足りなくもない。

ちょうどいい余韻を持たせる食感・・・。

 

 

スイーツの種類と特徴 ~チョコレートから季節の果物まで幅広い品ぞろえ~

 

さぁ、このお店にはオリジナルの「ダックワーズ」をはじめ、

フランス伝統の焼き菓子ケーキアイスクリームチョコレート等々、

100種類近くのスイーツが並んでいます。

 

※特別に許可を得て撮影しています。

半焼き菓子とパウンドケーキとアントルメコーナー。

 

 

ここはチョコレートコーナー。

 

 

今回4種類のアントルメを試食したのでリポートします。

・季節のショートケーキ

(写真左上)とにかくイチゴの存在感がすごい。鮮度がいいのがよく分かる。

スポンジはこの上ないほどシットリ、モッチリしている。

成熟した女性のようなショートケーキ。

 

 

・ミロワールショコラ

小さいがその味の凝縮感がすごい。

少し口に含ませると、チョコレートの濃厚な味わいが口いっぱいに広がって溶ける。

濃厚なので、ちびちびいける!

 

 

・モンブラン

栗!!栗感がすごい。

一体いつまで続くの?というほど栗のクリームが全てを物語る。

 

 

・アンジュフレーズ

チョコだ!イチゴ味のチョコムースだ!で、このムースがモッタリして濃厚!!!

ムースの下にはコンポートしたイチゴが眠っていて爽やかさと共存する。

こんなの、食べたことない!

 

 

 

フランス菓子16区さんのスイーツは「おいしい」のはもちろん、

どれを食べてもとにかく「ハズレがない」のです。

全てのケーキに感動するというのは、驚くべきこと。

 

遠方の方には電話注文の通販を用意しているということ。

スイーツ好きには絶対食べてもらいたいです!

 

 

お店の歴史とコンセプト ~食材の鮮度を保つ意外な工夫とは~

 

さて、スイーツのバラエティも質もすばらしいことが分かりました。

ここで少しこの「フランス菓子16区」というお店について知りましょう。

 

今回なんとこの「フランス菓子16区」をリポートするにあたり、

こちらのオーナーシェフ・ムッシュ三嶋にインタビューすることができました!

 

 

三嶋シェフと言えば福岡のスイーツ好きで知らない人はいないというスイーツ界の巨匠

「現代の名工」「黄綬褒賞」など数々の受賞歴のある匠が、

今回親切にも時間を作ってくれました!余すことなくお伝えします。

 

 

 

「フランス菓子16区」の創業は1981年。

 

三嶋シェフ

「もう36年も前、今でさえ賑やかなこの土地だが、

当時は『なんでこんな何もない場所に店を構えるのか』と周りから不思議がられた。

でも、人通りが少ないこの場所だからこそ、

空気も水もきれいで、いいスイーツが作れると思った。

 

三嶋シェフ

「それと、私は支店を出したくない。

というのも管理が行き届かなくなるからね。

一つのビルで作って販売することで徹底管理ができるんだ。

食材は鮮度が命だからね。」

 

 

※特別に許可を得て撮影しています。

中心地天神からちょっと遠出して「イイモノ」を買い求めに来るお客さんたち。

男性の一人客もちらほら。

「イイお菓子作りには鮮度のいい食材が必須」、食材に妥協しないからおいしい。

 

※特別に許可を得て撮影しています。

お客さんが絶えないからケーキも次々売れます。

作っては並べて、作っては並べて・・・の繰り返し。

 

 

三嶋シェフ

「品質には徹底的にこだわるよ。

実は今年の春、新しくブルーベリーパイが発売されるんだけど、

これは開発に10年かかったんだよ~。

どうしてもブルーベリーの水分とパイの食感がマッチしなくてね。

でも、皆で試行錯誤した末、ようやく納得のいく作品ができたんだよ。」

 

と、シェフは顔をほころばせながらそう言います。

 

信じられますか?

こんな熟練のシェフがブルーベリーパイ1つ作るのに10年かかったなんて・・・。

 

シェフにとって「ブルーベリーパイっぽい」ものならいつでも作れます。

でも「妥協したくない」「手を抜きたくない」から、

納得のいくまで試作しつづけます。

 

その真摯な姿勢が「どのスイーツを食べても美味しい。」

間違いない品質を作っていました。

お客さんが絶えないのはそのせいなんだ・・・!

 

 

※特別に許可を得て撮影しています。

パイは季節によって旬のフルーツを変えるそう。

冬はアップルパイが並びます。

奥の厨房でパティシエが真剣な顔でスイーツを作っています。

 

割ってみると、リンゴの濃縮感がよく分かります。

水を一切使わずに煮ているそう。

 

食べてみると「サクサクサクッ」と音を立てます。

余計な水分が全くないため、ネッチョリしておらず、

かといって「ザクザク、バリバリ」のハード感でもない。

 

なんなの、この優しくて爽やかな食感は・・・!

 

 

組織づくりの秘訣 ~35年以上続くために大事なのは「握手」!?~

 

シェフと一緒に販売コーナーへ行ったとき、

シェフはお客さま一人一人に歩み寄り、

「どうもありがとうございます。」と深々とおじぎをしていました。

 

私が「お客さま全員に挨拶されるんですね。すごいですね。」と言うと、

三嶋シェフ「そう?普通のことでしょう?」

 

・・・ここだ!このお店が35年以上も人気店でい続ける理由は。

お菓子作りに真摯、そしてお客さまにも真摯なシェフの人間性が、

お客さまを惹きつけて離さないんだ・・・!

 

 

人に誠実に向き合うこの姿勢には誰もが改めて考えさせられます。

 

そして、こういった姿勢はシェフだけにとどまりません。

 

 

客として来てみればわかりますが、

ここの販売員はどんなに忙しくても「いらっしゃいませ」を忘れず、

ハキハキと応対してプロフェッショナル

 

しかも100種類近くあるスイーツに関する質問をしても、

スラスラと特徴を話してとても勉強熱心だと感じました。

 

バレンタインも近いため、商品点数はかなり多いです。

 

 

さらに、シェフや販売員だけじゃありません。

お店の奥にいるパティシエたちも、真剣な顔で黙々とスイーツを作っていました。

 

私が2階の喫茶スペースでお茶をしていたとき、

「今月のデセール」をパティシエの一人が持ってきてくれました。

 

普通ならばただ「今月のデセールです。」と言ってプレートを渡されそうなところですが、彼は、

 

「お待たせいたしました。今月のデセール、温かいベリーのスープとチョコのビスキュイです。

チョコの方も温かくしておりますので割りますと中からチョコレートがとろけ出ます。

フォンダンショコラですね。添えていますバニラアイスクリームと一緒にお楽しみください。」

 

と、プレートの中身を丁寧に説明してくれたのです。

そして最後にニコッと笑ってくれました。。。

 

プライドを持って真剣に作っているから、お客さんに喋れるし

「お客さんを喜ばせてやろう」という気概が持てます。

 

コンテスト入賞者も多いこのお店のパティシエたちは、毎日切磋琢磨しているのでしょう。

 

デセールはもちろん美味でした。

ベリーのスープが温かいため、酸味が絶妙で口いっぱいに広がりつつなじむ・・・。

 

ビターなフォンダンショコラが重みを、

なめらかなバニラアイスクリームがすっきり感を与え、バランスがいい。

朝から食べたい一品です!

 

2階の喫茶スペース。ゆっくりとした時が流れます・・・。

 

 

さて、ではどうすればそんな「プロ意識を持っている」従業員を育てることができるのでしょうか?

シェフに聞いてみました。

 

三嶋シェフ

「え、うちのスタッフすごいかなぁ?

昨日も『お前たちゃぁ、サービスっちゅうもんが分かっとらん!』と一喝したところですよ。

『目の前にお客さんがいるのに、話しかけないとはどういうことか!』と。

お店に来たお客さんは、何かしら買いに来ているわけだから、

迷っていたら説明したりせんといかんでしょう!?

これは販売員もパティシエも同じことが言えます!」

 

三嶋シェフ

「それと、ぼくは毎日の朝礼と夕礼に

『私がやりたいこと』を全面的に言うようにしています。

私の方針を分かって、意識の統一をすることを心がけています。

軸がブレるとお店の方針が分からなくなるからね。」

 

三嶋シェフ

「あ、あと毎日、従業員全員に握手するね。」

 

握手?

え?毎日40~50人くらいの従業員全員に握手するの??

 

そう。三嶋シェフは毎日スタッフ全員と握手しながら、

顔色を見たり、声をかけたりしているといいます。

 

同じ組織のメンバーといっても、そこはやはり人間。

精神的なつながりが大事なのです。

 

しかしシェフはこれ以上この「組織づくり」に関しては多くを語りませんでした。

これはもう彼の中で「無意識にやっていること」だからでしょう。

この「チーム力」元々ラグビーをやっていたシェフの根底にある精神から来ているのでしょう。

 

だれが考案したのか・・・

「ラグビーボール」こんなキュートな作品もあります。

 

こちらが実物の三嶋シェフ。

一見怖そうだけど紳士で優しくて気さく。でもやっぱり厳しい(笑)

お菓子作りと人作りに真面目な人間性に、ファンがいっぱいついています。

 

 

まとめ

 

さて、今回は食べログやその他ランキングで

“常に”上位の福岡の名店「フランス菓子16区」さんについて、

その人気の秘訣を調査してきました。

 

このお店の人気の秘訣は、

トレンドに安易に乗ったり、オシャレに変に凝ることではなく、

「①本当においしいスイーツを丁寧に作るお客さまに感謝する仕事仲間には誠実に向き合う

という基本を押さえていたからでした。

 

基本を押さえるというのは簡単なようで、難しい。

でもお店をよくしたい、長く続けたいならば

それができるようになることが大事。

それはお菓子作りだけではなくどんな仕事でも言えることです。

 

「お菓子作りに興味がある」「お店を持ちたいと思っている」と思っている人は、

一度この「フランス菓子16区」のスイーツを食べてもらいたいです。

 

食べてみればわかる、いったい何が大事なのか・・・。

スイーツに懸けるプロの魂をぜひ感じてください!

 

 

 

 

 

 

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